正しく見ることは難しい - ファクトフルネス
FACTFULNESS - Hans Rosling, Ola Rosling
人間には勘違いを誘発する10の本能が備わっています。
これらの本能は、食物連鎖の中で生きていくには重要であった本能でありますが、今の世の中、特に情報が氾濫している世界においては必ずしも必要な本能ではなくなってしまいました。
それどころか、間違った判断を下す原因にさえなりかねないものなのです。
特に昨今のコロナウイルスによる世界的な危機に対して、それぞれの本能が強く働いてしまった結果、悲惨な事件や差別、対立などが起こってしまっているのではないでしょうか。
本能について細かくここで述べるのは、書籍の内容を暴露してしまうことになるので避けようと思いますが、これらの本能が原因となって起こっているであろう出来事は世の中に溢れていると感じました。
ただし、政治家やジャーナリスト、活動家は人々のこれらの10個の本能を刺激することによって注目を集め、自分たちの行動への支持を集めるという方法をとっていることがありますが、本書では、それが彼らの仕事であり、かつ悪気がある人はほとんどいないため責めることはするべきでなはなく、受け取る側が賢明にならなければいけないと指摘しています。
情報で溢れた世界において、目にした情報を直感的に判断してしまうと、本能に沿った判断を下してしまいがちです。
ですので、特にセンシティブな情報や直感的に善悪を判断してしまいやすい情報に触れた場合には立ち止まって考える癖をつけることが大事なのではないでしょうか。